Northen Lights を追って (11/13)
どうかこの美しい現実を消し去らないでください。
できることならもっと強く!
心の中で祈りながら空を見上げ、ファインダーを覗き、シャッターを切りつづける。
そうしながらも、あまりの寒さに体は冷え切り手は感覚が無い。
足の指にも感覚がない。
先ほど汗だくになっていたことはすっかり忘れている。
もっと撮りたい! でも手が冷たすぎる。
でもポケットで温めているヒマがあったら撮りたい!
でも、もう力が入らない! でもボタンを押すくらいは出来るはず・・・。
ちょっと暖めてから・・・。
そんな場合じゃない! もう二度と見られないんだから!
この葛藤が続く。 自分との闘い。
手をポケットに入れたり、出したり。
ダウンジャケットの4つのポケットの中に二つづつ入れているカイロはどれも冷え切っている。
とはいってもマイナス40度よりはきっと暖かいはず。
・・・握り締める。
足の指は、足踏みをしてみても全く血の通う気配が無い。
この旅の中でこんなに寒さを感じたことは無かった。すべてにおいてクライマックスとなる。