Northen Lights を追って (2)

東の空には月が昇り、その月にからむようにオーロラの光はゆっくりとさざなみ動き続ける。
時間を忘れ、寒さを忘れてシャッターを切りつづけた。
ある時、フイルムを次のコマへと送った時に、バリっと強い手ごたえがして、それ以来コマ送りが空回りしているような・・・。
フイルムの切断。
昼用の安いフイルムを一本犠牲にして一気に引き抜き、根元で切って切断したフイルムを張り合わせて巻き戻した。
新しいフイルムをセットしてまた撮影を続ける。
そのうちにあるとき突然光が強くなり動きが激しくなった。
そのとき30コマほどまで進んでいたカメラの中のフイルムは・・・またしても、切れた。

「もーう、このカメラはダメだ!!」
予備で持ってきた借り物のカメラを出動させることにした。
これは一応電動なのでフイルムのセットもワンタッチ。
おー!なんて簡単なんだ!!
遅れを取り戻そうと三脚へ戻った時にはオーロラはもう元の静かな姿に戻っていた。

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極寒時には電池を使用しないカメラが最適と聞いていたが、実際に使ってみたところ、機械式カメラは、ひとコマ撮るたびに巻き上げることやフイルムの交換がとっても大変!!
電池が消耗したら交換すればよい、電動式が私には使いやすかった。
そうして電池の恩恵にあずかって撮り続けたが、カメラを替えてからオーロラの調子がぱったりと静かになってしまった。

しかし、オーロラがあろうとなかろうと、凍てついた湖と背後にそびえる山脈に囲まれたこの地はすばらしかった。
あきらめずにカメラをいろいろな方向へ向けて星空と大地の姿を写真におさめる。

目の前の凍った湖からは、時折氷の割れる音があたりに響き渡る。
「バリバリバリ(高音)・・・ドボ~ン(重低音)」
湖の南西側周囲に沿って走るアラスカハイウェイ、とはいっても単なる対面二車線の一本道・・・は、一時間に1台くらいしか車が通らない。
そして、背後にそびえる山脈は月明かりのライティングによって時とともに陰影を深く刻んでゆく。

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