Northen Lights を追って (5)

もしかしたらこのまま足の指を凍傷で失うのかも知れない!!
とまで思いはじめると気になってしょうがない。
気が狂いそうな恐ろしい寒さと、目に映る美しい世界。
湖から立ちのぼる霧にさそわれて、長い時間をかけて少しずつ近づいてきたオーロラは、手の届きそうな距離までやってきて静かに姿を消していった。

緊張から突然解放され、あっけにとられる。
「ああ、これで終わりだね」
撮影機材を片付けて空港へと向かう。
徐々に手足の冷えもおさまってゆく。

そこは先ほどまでのサバイバルがウソのように暖房の効いた文明世界。
カウンター係のブロンド美女が優雅な笑顔で出勤してくる。
この人もこの極寒の町の住人なのだろうか。
最後にもう一度マイナス40度の外気温に触れ、極北の地に別れを告げ帰国の途についた。

 

 

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