Northen Lights を追って (8/13)





これで今回の旅も終わりかとあきらめかけたが、しぶとくもうワンチャンスを狙ってさらに移動。
ラバージュ湖畔。
この湖は、ここ数日のマイナス30〜40度の気温にも結氷せず、もうもうと水蒸気を立ち上らせていた。
車中で待機すること1時間だったか2時間だったか。その間に年が明けていた。
オーロラはすっかり影を潜めていたが、その間に月は昇り、徐々にむせかえるほどの霧にうるんだ世界が照らし出されてきた。
何もかも凍てついた世界だと思っていたこの場所に・・・。
これは一体現実なのだろうか?
フロントガラス越しにも立ち上る水蒸気が浸透してくるようで、フライトが数時間後に迫ったこの旅の終わりに、なんともいえない湿度と熱いものを運んでくる。

この10日間の旅。天候にもめぐまれず、オーロラの活性度も低調だったとはいえ、それでも貴重な時を無駄に過ごしはしなかったか。
突然、名残惜しさに襲われる。

「よし、撮ろう」



つづき