Northen Lights を追って (9/13)
名残惜しさで心は重く、外気温にすくんで外に出るのはちょっとした覚悟が必要。
夢幻の世界を目の当たりにして、安易にレンズを向ける気にはなれなかった。
あわてなくても、すぐに消えはしない。
見渡すかぎりに、月光に照らされた雪原、林、湖、霧、星。
静かに、静かに。 潤んでいる。
全部を両立させて写真に収めるのは難しそうに思えた。
乱れた精神状態で対峙することはできない。
実際には、いろいろな気持ちを抑え、あえて機械的にシャッターを切っていくしかなかった。
しばらくして、北の地平線に薄明かりがかかった。
ほとんどあきらめていたラストチャンスか。
名残惜しさのあまり幻覚を見ているのか。
しかし、どうにも期待は高まる。
固唾を飲んでカメラの位置を変える。